日記 #5

突然だが、私の好きな漫画(アニメ)を紹介しよう。進撃の巨人である。言わずと知れた名作だが、私の人格形成の一端を担っていると言えるほどに心から愛してやまない物語なのだ。私の人生に多大な影響を与えた物語は、他にもいくつかあるので機会があればいずれ紹介していくつもりだが、今日のところは控えておこう。

私は元来、漫画よりもアニメを好んでみる質だが、進撃の巨人に関してこの限りではないと言える。しかし、読者諸賢の記憶に新しいのはアニメ版のほうであろう。昨年11月に、約10年間にわたって放送されてきたアニメ進撃の巨人がついに完結を迎えた。度重なる延期やファイナルシーズンのクール分けによりファンの期待は焦れていたものの、その最後にふさわしい完璧な締めくくりであった。

そして今日はアニメ完結記念で販売されることとなった進撃の巨人「画集FLY」を完結から約半年、ついに我が家迎え入れることができたのでその話についてを語りたい。進撃の巨人の魅力についてはいくら言葉をつくしても表現できるかわからないので、私の作文能力に向上の兆しが見えた時にこそ、語らうこととする。ここから先は進撃の巨人本編の内容や画集FLY(35巻)についてのネタバレを含むので、未視聴の方は必ず原作またはアニメをご覧になってから読んでいただきたい。いや、むしろ私のブログなんぞを読んでいないで進撃の巨人こそ見ていただきたいところである。

 

前置きが長くなったが画集FLYについて話していく。商品の内容としては、メインとなる、単行本表紙や別冊マガジンの表紙その他諫山先生の描いた完全カラーイラストを収録した画集、そして豪華特典として、作中に登場する、エレンが持つ地下室の鍵やミカサのマフラー、リヴァイ兵長の幼少期と最終巻の後日談が収録された35巻、そして原作最終話「あの丘の木に向かって」全57ページの超精巧複製原画が付録されている。

一つずつ話していこう。「エレンの鍵」「ミカサのマフラー」に関しては使うべき日が来るまでは新品として保管しておきたかったので開封はしていない。35巻では、リヴァイの幼少期ついて語られる。作中で最も多く大切な人を亡くし、誰よりも心臓を捧げてきたリヴァイ、肉体的な強さはもちろんのこと、精神こそ彼が誰よりも持ちえた強さだと私は思っている。そのリヴァイの強さの源泉ともなる母の形見の話、本編ではついに語られることのなかった紅茶を愛する理由やカップの持ち方に秘められた意味、35巻として104期や世界について細かにふれるのは作品に残された余白を埋めてしまうようでやきもきしていた私を完全に吹き飛ばす素晴らしい内容だった。超精巧複製原画は、実際に諫山先生が最終話を描いた際の原画なので、インクのシミやテープを切り取った跡、下書きなど完成までの先生の苦悩を追体験するような感覚だった。漫画の原画というものを初めて生で見たがここまでリアルで空間すら想像できるものなのかと感嘆した。そしてなんといっても画集である。B4判サイズのド迫力なカラーイラストは圧巻というほかなかった。諫山先生の筆致を崩すことない繊細で鮮やかな色彩、巨人が紙の中から飛び出してくるのではないかと思えるほどの迫力、不気味さと神秘に男心をブレンドしたような造形は進撃の巨人の世界観を遺憾なく発揮していた。そんな進撃の巨人14年の歴史を諫山先生のコメントつきで振り返ることができるのはまさに至福の時間である。巻末のインタビューには作品についての振り返りだけでなく先生の今後の展望についても語られておりファンならば必読の内容になっていた。長らく進撃の巨人を愛してきた私にとってこれ以上の幸せはない素晴らしい画集であった。

今後も進撃の巨人が褪せることなくどこまでも羽ばたいていくことを切に願っている。

心臓を捧げよ!